東京高等裁判所 平成10年(ネ)1296号 判決 1999年6月23日
控訴人
全日本海員組合
右代表者
中西昭士郎
控訴人
柳田栄
控訴人
藤川弘
控訴人
井上晴夫
右四名訴訟代理人弁護士
田川俊一
同
島田修一
同
大熊政一
同
今村核
被控訴人
東海商船株式会社
右代表者代表取締役
三宅弘
被控訴人
ネプチューン・タウラス・シッピング・コーポレイション
日本における代表者
野原勇治
被控訴人
ネプチューン・ボランス・シッピング・コーポレイション
日本における代表者
佐藤紘一
被控訴人
ネプチューン・パシフィック・シッピング・コーポレイション・リベリア
日本における代表者
堀端保
右四名訴訟代理人弁護士
吉本英雄
主文
一1 原判決中甲事件に係る控訴人全日本海員組合及び控訴人柳田栄各敗訴部分を取り消す。
2 右部分につき、被控訴人東海商船株式会社及び被控訴人ネプチューン・タウラス・シッピング・コーポレイションの控訴人全日本海員組合及び控訴人柳田栄に対する各請求をいずれも棄却する。
二 控訴人全日本海員組合のその余の本件控訴並びに控訴人藤川弘及び控訴人井上晴夫の本件各控訴をいずれも棄却する。
三 訴訟費用は、第一、二審を通じて、これを五〇分し、その一二を被控訴人東海商船株式会社の負担とし、その一を被控訴人ネプチューン・タウラス・シッピング・コーポレイションの負担とし、その一二を控訴人全日本海員組合と控訴人藤川弘の連帯負担とし、その余を控訴人全日本海員組合と控訴人井上晴夫の連帯負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 控訴人ら
1 原判決中控訴人ら敗訴部分を取り消す。
2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人らの負担とする。
二 被控訴人ら
1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
第二事案の概要及び当事者の主張
本件の事案の概要及び当事者の主張は、次のとおり訂正し、又は付加するほかは、原判決の「第二 事案の概要」及び「第三 当事者の主張」に記載のとおりであるから、これをここに引用する。
一 原判決一五頁一一行目の「ジャパン号」を「パシフィック号」と改める。
二 原判決一六頁二行目の「支部長」を「副支部長」と改める。
三 原判決三四頁三行目<原判決三二頁一〇行目~一〇三頁八行目は掲載略>の「対し、」の次に「翌三一日」を加える。
四 原判決五七頁三行目の「大港労組」を「大阪港湾労組」と改める。
五 原判決六二頁三行目から同四行目にかけての「解雇、賃金、」を「解雇並びに賃金及び」と改める。
六 原判決六四頁一行目の「監督下」を「監督」と改める。
七 原判決六九頁一〇行目の「基準未達船舶」を「基準未達成船舶」と改める。
八 原判決七一頁一一行目の「神戸港港入港」を「神戸港入港」と改める。
九 原判決七四頁二行目の「建築用機械」を「建設用機械」と改める。
一〇 原判決九一頁四行目の「日下武彦」の次に「(以下「日下」という。)」を加える。
一一 原判決九八頁七行目の「港湾事業部長代理」を「港運事業部長代理」と、同九行目から同一〇行目にかけての「ポートステートコントロール」を「ポート・ステイト・コントロール」とそれぞれ改める。
一二 原判決九九頁八行目の「体制」を「態勢」と改める。
第三証拠
本件記録中の書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから、これをここに引用する。
理由
一 当裁判所は、被控訴人らの本件各請求中、甲事件については、すべて理由がないから、これを棄却すべきであり、乙事件については、原判決が認容した限度で理由があるから、これを認容し、その余は理由がないから、これを棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり訂正し、付加し、又は削除するほかは、原判決の「第四 甲事件についての判断」、「第五 乙事件についての判断」及び「第六 結論」に記載のとおりであるから、これをここに引用する。
1 原判決一〇七頁三行目の「<証拠略>」の次に「、<証拠略>」を加える。
2 原判決一一四頁六行目の「、一七一項」を削る。
3 原判決一一五頁一一行目の「求めて」から同一二一頁三行目までを「求めたので、杉本は、控訴人柳田に対し、荷役作業はしないこととするが、被控訴人東海商船に対する言訳の材料にしたいので、控訴人全日海の組合員らが艀の中にある荷役の対象である鋼材の上に乗って荷役作業を妨害している場面の写真を撮らせてほしいと申し入れた。控訴人柳田は、いったんはこれを拒否したが、結局、杉本の意を察し、右申入れに応じることとし、午前一〇時ころまでの間に、最初に第四船艙右舷側に接舷していた艀大芳丸において、次に第二船艙右舷側に接舷していた艀日新二〇〇号において、いずれもスリングワイヤーが掛けられた鋼材の上に控訴人全日海近畿地方支部組合員五人又は四人が乗っているところの写真が撮影された。その後、長川は、控訴人全日海組合員の妨害により荷役作業をすることができない旨を被控訴人東海商船東京本社常務取締役堀端に報告し、いったん作業を中止するのもやむを得ないとの指示を受け、杉本は、控訴人柳田に対し、当日の作業は行わない旨述べ、控訴人全日海近畿地方支部組合員らは、バージニア号からボートに移って待機し、控訴人柳田がいったんボートで控訴人全日海組合事務所に戻る際に、他の組合員が右ボートからバージニア号に乗船し、控訴人柳田が昼食の弁当を持ってボートで戻った後、再びボートに移って待機していた。(<証拠・人証略>)
(三) 被控訴人東海商船らは、昭和六二年一〇月三一日午前九時三〇分ころ、控訴人全日海側からの抵抗により荷役作業が物理的に実行不可能な状態に立ち至らない限り荷役作業を行う旨決定し、作業員に対して荷役作業開始を指示し、バージニア号の艙口を開き、荷役作業を開始しようとしたところ、控訴人全日海組合員が艀に飛び乗り、既に荷役用ワイヤーを掛けてクレーンで船上に巻き上げようとして準備していた貨物の上に座り込み、荷役作業を妨害したと主張し、この主張に沿う証拠として、(証拠略)並びに(人証略)の各証言がある。
しかし、(証拠・人証略)によれば、控訴人全日海近畿地方支部組合員が荷役の対象である鋼材の上に乗っている写真が撮影されている最中に、実際に荷役作業が行われようとしていたのであれば、船艙内にあらかじめダンネージ、フォークリフト等の荷役用資材を搬入し、ダンネージを敷くなどして搬入される積荷の受入れ準備がされていなければならないのに、それがされていないこと(<証拠略>。なお、船艙内に荷役用資材が搬入されたのは、後記認定のとおり、同日午後二時三五分ころ以降のことである。)、また、船艙内で積荷が下りて来るのを待機していなければならない作業員やフォークリフトを操作していなければならない作業員、艀内で作業に従事していなければならない作業員及びクレーンの操作をしていなければならない作業員が、いずれも甲板上で写真撮影がされているのを腕を組んで眺め、談笑し(同<18>から<20>。このなかには脚絆を締めず、指にタバコを挾んでいる者もいる。)、あるいはポケットに手を入れて単に歩いたり(同<17>)、手袋を外してタバコの箱を持って歩いている事実(同<15>)、杉本も写真が撮影されている最中にポケットに手を入れたまま甲板上を歩いている事実(同<18>)、控訴人柳田とバージニア号の一等航海士が並んで写真を撮影してもらったりしている事実(同<17>)が認められるのであり、これらの点と前記の(人証略)の各証言に照らすと、前記の(証拠・人証略)は、信用することができず、被控訴人東海商船らの前記主張は、採用することができない。」と改める。
4 原判決一二七頁五行目の「求めたが」を「求め」と、同八行目の「知らされ」から同一三〇頁四行目の「これに対し」までを「知らされた後も、荷役作業阻止の構えを崩さなかったため、板挟みとなった杉本が、窮余の策として、被控訴人東海商船に対する言訳の材料とするため、荷役作業を控訴人全日海近畿地方支部組合員に妨害されている状況を写真に撮らせてほしい旨を控訴人柳田に申し入れ、控訴人柳田ら控訴人全日海側がこれを受け入れて、前記のような写真撮影が行われるに至ったものであり、したがって、控訴人全日海近畿地方支部組合員によって現実に荷役作業が妨害された事実はない。
右の事実によれば、昭和六二年一〇月三一日午前のバージニア号の荷役作業は、控訴人柳田ら控訴人全日海近畿地方支部組合員が実力行使による荷役作業阻止の構えを崩さなかったため、これによって結果的に荷役作業を実施することができなかったということができ、同控訴人らの行為は、社会通念上相当なものとは到底いい難いが、被控訴人東海商船及び被控訴人タウラスがバージニア号に関し控訴人柳田及び控訴人全日海近畿地方支部組合員による不法行為であると主張するスリングワイヤーに巻き上げられた鋼材の上に乗って現実に実力をもって荷役作業を妨害したとの事実は存在しなかったものといわざるを得ない。
そして」とそれぞれ改める。
5 原判決一三一頁九行目の「前記各行為」を「被控訴人東海商船ら主張の態様による妨害行為」と、同一〇行目の「ができるから」を「はできないから」と、同一一行目の「肯定することができ」を「肯定することはできず」とそれぞれ改める。
6 原判決一三二頁一行目の「というべきである」を「とはいえないというべきである」と、同五行目の「のであるから」から同八行目の「これに対し」までを「ということはできず、控訴人柳田及び控訴人全日海近畿地方支部組合員に被控訴人東海商船ら主張の不法行為があるとして、それにより生じたという損害の賠償を請求することはできないというべきである。
そして」とそれぞれ改める。
7 原判決一三四頁二行目から同一五四頁七行目までを次のとおり改める。
「三 そうすると、その余の点について判断するまでもなく、昭和六二年一〇月三一日の荷役作業がされなかったことによって生じた被控訴人東海商船及び被控訴人タウラスの損害については、その賠償を控訴人柳田及び控訴人全日海に対して請求することはできないといわざるを得ず、これに係る請求は理由がない。」
8 原判決一五八頁二行目及び同三行目の各「近畿港運」をいずれも「近畿港運(株)」と、同行目の「大阪港湾作業」を「大阪港湾作業(株)」と、同七行目の「片付ける」を「片ず(ママ)ける」とそれぞれ改める。
9 原判決一七〇頁八行目の「(証人」を「(<証拠・人証略>」と改める。
10 原判決一七三頁二行目の「移行」を「遂行」と改める。
11 原判決一七五頁七行目の「認めがたい」を「認め難く、違法性がある」と改める。
12 原判決一七七頁一行目の「根拠」から同三行目末尾までを「根拠とはならない。
控訴人らは、控訴人全日海には作業員の乗船を実力で阻止する方針はなく、したがって、実力によるトラブルが予測されたことはなく、荷役作業が行われなかったのは、大阪港湾労働組合協議会が控訴人全日海と共闘し、作業員に対して業務命令が出るまでは待機を徹底させて乗船させない方針をとったからであって、控訴人全日海の妨害活動によるものではない、控訴人全日海において、荷役作業を行う業務命令を出せば大阪港湾労働組合協議会と大阪港運協会との間で労使紛争が悪化することを示唆して、荷役作業を行う業務命令を出さないよう強く求めた事実もない、杉本の当日の行動は、被控訴人東海商船から出された作業指示の実行につき時間的猶予を求め、その承諾を得て、近畿港運の社長と相談し、大阪港湾労働組合協議会や同協議会を通じて控訴人全日海と交渉したにすぎないもので、このような行動をとった原因が控訴人全日海が荷役作業を了承しなかったことや大阪港湾労働組合協議会との労使関係の悪化を懸念したことにあるのではないから、控訴人全日海が近畿港運の荷役をする自由意思を抑圧又は阻害したとはいえないし、そのような状況を作り出したものでもないと主張するが、前記認定のとおり、控訴人全日海がピケを張り、荷役作業の実施を了承しないでピケを解かなかったことは明らかであり、これにより近畿港運の自由意思が阻害され、結果として荷役作業が妨げられたのであるから、控訴人全日海の行為は、平和的説得の範囲を超える違法なものであるというべきである。控訴人らの右主張は、採用することができない。」と改める。
13 原判決一八三頁一〇行目の「原告タウラス」を「被控訴人ボランス」と改める。
14 原判決一八四頁四行目の「証拠によれば」を「証拠及び弁論の全趣旨によれば、」と、同七行目の「神戸港湾労働組合連合会」を「神戸港湾労働組合協議会」と、同行目から同八行目にかけての「全日本港湾運輸同盟労働組合同盟兵庫地方本部」を「全日本港湾運輸労働組合同盟神戸地方本部」とそれぞれ改め、同九行目から同一〇行目にかけての「、神戸港湾労働組合協議会及び港運同盟神戸地本」を削る。
15 原判決一八六頁二行目の「上組」の次に「神戸支店」を加え、同四行目の「港湾事業部長」を「神戸支店港運事業部長」と、同七行目の「神戸港労働組合連合会」を「神戸港湾労働組合連合会」と、同一〇行目の「東海商船」を「被控訴人東海商船」とそれぞれ改める。
16 原判決一八七頁三行目の「(」の次に「<証拠略>、」を加え、同行目の「<証拠略>」を「<証拠略>」と、同七行目の「七時前」を「七時二〇分ころ」とそれぞれ改め、同九行目の「(証人」から同一〇行目末尾までを削り、同一一行目の「港湾事業部」を「港運事業部」と改める。
17 原判決一八八頁二行目の「右岸壁」を「前記KL岸壁」と、同三行目の「乗船した」を「乗船していた」とそれぞれ改める。
18 原判決一八九頁八行目から同九行目にかけての「第二船艙」を「第二船艙付近」と、同行目の「第四船艙」を「第四船艙付近」とそれぞれ改め、同一一行目の「三二分ころ、」の次に「第二船艙下の岸壁上で」を加え、同行目の「二番船艙」を「第二船艙」と改める。
19 原判決一九〇頁一行目から同二行目にかけての「ワイヤースイング」及び同四行目の「ワイヤースリング」をいずれも「スリングワイヤー」と改める。
20 原判決一九一頁二行目及び同一一行目の各「井上」をいずれも「控訴人井上」と改める。
21 原判決一九三頁三行目の「第二船艙で」を「第二船艙への」と改める。
22 原判決一九四頁三行目を
「控訴人らは、(証拠略)のビデオの映像を分析すれば、当日ダンネージの巻上げ作業が行われなかったことが明らかであると主張するが、前掲の各証拠をも合わせて右ビデオ映像を検討すると、控訴人ら主張の事実を認定することは困難であり、他に控訴人らの右主張を認めるに足りる証拠はない。
また、控訴人らは、上組がラッシング資材等の積み卸しも阻止するのか等と控訴人全日海に質問したのに対し、控訴人井上らが荷役行為に当たるから作業は中止してほしいと答えたことはない、このことは、大阪港において、神戸港では沿岸作業を認めているということが話題になり、その結果、大阪港でもこれを認めることになった事実経過から明らかであると主張するが、右の大阪港において沿岸荷役作業が話題になったのは、二2(四)に認定したとおり、神戸港での右の問答があった時よりもかなり後のことであって、前記1で認定したその前後の事実経過に照らしても、大阪港における事実経過から神戸港での事実を推測することはできないのであり、右主張は、採用することができない。」
と、同七行目の「ものであった」を「ものであり、(証拠略)の映像を検討しても、エキスカベーター巻上げの準備作業は行われていた形跡がなく、当日被控訴人東海商船には荷役作業を実施する意思はなかったのであって、控訴人全日海が荷役作業を妨害した事実はない」とそれぞれ改める。
23 原判決一九五頁八行目の「)。」の次に「この点につき、控訴人らは、被控訴人東海商船の何らの了解もなく川田がそのような申入れをする方がかえって不自然であり、むしろ川田及び久保と被控訴人東海商船が荷役作業をしないことで一致していたとみる方が自然であると主張するが、前記認定のその時点までの事実経過に照らし、控訴人らの右主張は、採用することができない。」を加える。
24 原判決一九六頁一一行目の「得ない。」の次に「控訴人らは、(証拠略)の映像によれば、エキスカベーター巻上げの準備はできていなかったとも主張するが、後記(三)のとおり、右主張は、採用することができない。」を加える。
25 原判決一九八頁一〇行目の「事実によれば」を「事実及び控訴人らの荷役ボイコットが予定されていた状況の下で、具体的にどのような手順で作業を行うかは、控訴人全日海組合員の出方をみながら臨機応変に上組の海務監督や川田及び上津港運らの作業担当者が決定することであり、当日は、特に控訴人全日海がどの程度の実力行使を行うか又は実力行使の意思がどの程度強いものかが上組や上津港運の関心の焦点となっていて、実力行使の意思が固いことが確認されればそれを排除してまでは荷役作業を強行しない方針であったことが前記認定の事実経過から明らかであり、このような場合には、安全が確保されれば細部まで必ず一定の手順で作業する必要はないことが認められることからすれば」と改める。
26 原判決一九九頁九行目の「体制」を「態勢」と改める。
27 原判決二〇〇頁二行目の「山本」から同三行目の「午前七時前」までを「午前七時二〇分ころまで」と、同八行目の「体制」を「態勢」とそれぞれ改める。
28 原判決二〇一頁二行目及び同四行目の各「体制」をいずれも「態勢」と改める。
29 原判決二〇六頁三行目の「トまで」を「ホ及びトも」と改め、同五行目の「四名分」の次に「(午前八時三〇分から午後四時まで)」を加え、同九行目の「午後四時三〇分」を「午後五時三〇分」と改める。
30 原判決二〇七頁二行目及び同三行目の各「待機時間」をいずれも「作業時間」と、同四行目及び同六行目の各「午後四時三〇分」をいずれも「午後五時三〇分」とそれぞれ改める。
31 原判決二一〇頁五行目から同二一一頁二行目までを次のとおり改める。
「一 よって、甲事件については、被控訴人東海商船及び被控訴人タウラスの各請求は、すべて理由がないから、これを棄却すべきである。」
32 原判決二一二頁一〇行目から同二一三頁一行目までを削る。
33 原判決二一三頁二行目の「三」を「二」と改める。
二 よって、原判決中、甲事件に係る控訴人全日海及び控訴人柳田各敗訴部分は不当であるから、これを取り消し、右部分について被控訴人東海商船及び被控訴人タウラスの右控訴人らに対する各請求をいずれも棄却し、乙事件に係る部分は相当であり、本件各控訴はいずれも理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。
(口頭弁論終結の日 平成一〇年一〇月七日)
(裁判長裁判官 石井健吾 裁判官 加藤謙一 裁判官杉原則彦は、転補のため、署名押印することができない。裁判長裁判官 石井健吾)